5分で解ける!グラフのかき方(2)に関する問題
![高校数学Ⅲ](http://assets.try-it.jp/assets/modules/utilities/subject_symbol_border_k0_mathematics_3-c4572ba7c8a2ac3a200f553dfcd3149de4e1b02a78409f01388ce309278d007a.png)
- 問題
![](http://assets.try-it.jp/assets/modules/components/movie_size-f89110ba4a351d85c483bb12f73c7cf89e2ba13a9174f58b4a38599d28678843.png)
この動画の問題と解説
問題
解説
① f(x)の増減を調べる
② f(x)の凹凸を調べる
③ ±∞を目指して進むときの極限を調べる
④ 分数関数のときは漸近線も調べる
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
手順①
まずは,y=f(x)の増減を調べます。f'(x)の符号から グラフが右上がり(↗),右下がり(↘) となる範囲がわかりますね。このとき極値も求めましょう。
手順②
次に,y=f(x)の凹凸を調べます。f''(x)の符号から グラフが上に凸,下に凸 となる範囲がわかりますね。このとき変曲点も求めましょう。
手順③
さらに,y=f(x)が ±∞を目指して進むときの極限 を調べます。これによって,曲線の左側,右側の形が決定できます。
手順④
分数関数のときには,漸近線も求めます。y=x+(1/x)であれば,分母が0となるx=0が漸近線の1つです。漸近線はもう1つあるのですが,それは後に詳しく解説しましょう。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
では,この4つの手順にしたがって,y=x+(1/x) のグラフの概形をかいていきます。
y'=0,y''=0の方程式を解く
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
手順①「増減を調べる」にはy'の符号が,手順②「凹凸を調べる」にはy''の符号が必要となります。y',y''を求めると,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
となりますね。 y'=0,y''=0の方程式を解くと,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
となり,y'の符号変化の分岐点がx=±1と予測できます。x≠0と制限されるので,y''=0の解はありません。
「x,y',y'',y」の4段増減表を作成
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
手順①「増減を調べる」,手順②「凹凸を調べる」の仕上げに,増減表 を書きましょう。「x,y',y'',y」の4つの情報を並べるので,次のような4段重ねの表になります。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
一番上の段には,xの値を書きます。y'=0となる x=±1 と,グラフが分断される境界線となる x=0 を書き込んでおきました。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
二番目の段には,y'の符号を書きましょう。
y'=(x2-1)/x2
より,符号を決めるのは 分子の(x2-1) の部分です。x=±1を分岐点として,それぞれの範囲の符号は,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
三番目の段には,y''の符号を書きましょう。
y''=2x/x4
より,符号を決めるのは 分子2x の部分です。x=0 を分岐点として,それぞれの範囲の符号は,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
四番目の段には, yの増減(凹凸) と値を書きましょう。y=x+(1/x)にx=±1を代入すると,x=-1のとき極大値-2,x=1のとき極小値2とわかります。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
yは,単純に右上がり(↗)か,右下がり(↘)かを記すのではなく,凹凸も加味して書き入れています。例えば,y'>0かつy''>0であれば,右上がり(↗)かつ接線の傾きも増加となります。y'>0かつy''<0であれば,右上がり(↗)かつ接線の傾きは減少となります。同様に,y'<0かつy''<0であれば,右下がり(↘)かつ接線の傾きも減少,y'<0かつy''>0であれば,右下がり(↘)かつ接線の傾きは増加となります。
±∞を目指して進むときの極限と漸近線
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
増減表により,グラフの概形はほぼ把握できました。最後に,曲線の左側,右側,漸近線に近づくときの形を求めましょう。xが±∞を目指して進むときの極限を求めると,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
y=x+(1/x)は,x=0を漸近線の1つとします。xが右側から0を目指して進むときの極限,左側から0を目指して進むときの極限を求めると,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
さらに,y=x+(1/x)は,y=xを漸近線とすることがわかりますか? これは,f(x)=x+(1/x),g(x)=xとして,xが∞を目指すとき,
lim{f(x)-g(x)}
を求めるとわかります。
lim{f(x)-g(x)}
=lim{x+(1/x)-x}
=lim(1/x)
xが∞を目指すとき,lim{f(x)-g(x)}は0に限りなく近づきますね。つまり,xが∞を目指すとき,f(x)=x+(1/x)の値と,g(x)=xの値がほとんど同じになることを意味するのです。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
よって,y=x+(1/x)は,x=∞を目指すとき,y=xに限りなく近づいていきます。同様に,x=-∞を目指すときも,y=xに限りなく近づいていきます。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
これらの情報からグラフをかくと,次のような答えになります。
![微分法の応用21 問題 答え](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/images/k/0/mat_3/6_1_21_1/k_mat_3_6_1_21_1_image11.png)
分数関数の漸近式の求め方
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
分数関数のグラフの概形をかくコツをつかめましたか? 分数関数特有のポイントは,漸近線でした。分母が0になる値に加え,次の解法を覚えておくとよいでしょう。
![微分法の応用21 ポイント](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/images/k/0/mat_3/6_1_21_1/k_mat_3_6_1_21_1_image12.png)
![](http://assets.try-it.jp/assets/modules/utilities/logo_black-a711ae7f4c2af1410b916e7066a5e8950d6f2f3a2150e093b6dc878ad8f31d3f.png)
y=x+(1/x) のグラフの概形をかく問題です。分母にxがあるので,x=0でグラフは分断されるというイメージをあらかじめもっておきましょう。分数関数において,具体的にグラフをかきおこすには,次の4つの手順が必要となります。