高校数学Ⅲ
5分でわかる!eについて(1)
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この動画の要点まとめ
ポイント
eについて(1)
これでわかる!
ポイントの解説授業
ネイピア数eとは?
ネイピア数eは,次の計算式によって定義される数になります。
式の意味を詳しく解説しましょう。(1+x)という数があり,このxが右側から0に向かって進むとします。すると,
1+x→1.1→1.01→1.001……
のように,(1+x)は1に近づいていきますね。この(1+x)を(1/x)回かけ算してみます。xが0に限りなく近づくとき,(1/x)は∞を目指して進むので,(1+x)が∞回かけ算されるのです。ようするに1に限りなく近づく数を∞回かけ算するとどうなるかを表しているのですね。
eは「2.718……と続く無理数の定数」
xが0を目指して進むとき,(1+x)1/xの極限eを計算すると,e=2.718……と
続く無理数であることが知られています。
細かい数値まで暗記する必要はありませんが,eが2.71くらいの無理数であることは覚えておいてください。また,ここではxが右側から0に近づく例で解説しましたが,xが左側から0に近づくとき,つまりxの極限が0,1/xの極限が-∞のときでも上の式は成立します。
eの定義式の眺め方
eの定義式は複雑ですよね。式は,(1+□)△の□の部分と指数△の部分の関係に注目すると,わかりやすくなります。
(1+□)△において,□の部分は0に近づく数になります。この□に対して,指数の△は,□の逆数になっています。この逆数関係にある点はとても重要です。□が0に向かうとき, 指数の△は∞に近づく(-∞に近づく) というのがeの定義式の注目ポイントです。公式を丸暗記するのではなく,(1+□)△の□の部分と指数△の部分の関係性に注目して覚えましょう。
数学Ⅲの第4章「極限」の学習もいよいよ終盤に差し掛かってきました。第5章からは「微分法」「積分法」について扱っていくのですが,この微積分で頻繁に登場する定数にネイピア数eがあります。今回は,極限の計算によって定義されるeという数について解説しましょう。