続いて、合巻と人情本について見ていきましょう。

合巻は、数編の黄表紙を合わせて作られたものです。

合巻の代表例としては、柳亭種彦(りゅうていたねひこ)の 『偐紫田舎源氏』 があります。
これは、紫式部の『源氏物語』をベースとした、いわばパロディ小説です。

人情本は、文政期以降、洒落本に代わって作られた恋愛小説です。

人情本の代表例としては、為永春水(ためながしゅんすい)の 『春色梅児誉美』 が挙げられます。
こうした人情本は、女性に人気があったようです。

洒落本・黄表紙が寛政の改革で弾圧されたように、合巻や人情本は、水野忠邦による天保の改革で弾圧されます。