通常の芽ばえは、先端にも根にもほぼ一様にオーキシンが存在しています。
しかし、芽ばえを水平に置くと、オーキシンの濃度に変化が生じます。

植物細胞の細胞膜にはPINという輸送タンパク質があります。
PINは、オーキシンを細胞外へ排出する働きをしていました。
また、重力などの影響を受けて分布が変化することが特徴です。

芽ばえが水平に置かれると、PINは細胞膜の地面側に偏って分布します。
すると、オーキシンは次々と地面側へ輸送されていきます。
接地面側のオーキシン濃度は反対側と比べると、先端でも根でも高くなるのです。

先端も根も、接地面側でオーキシンが高濃度になっていました。
しかし、先端と根はそれぞれ異なる成長を示します。

先端では、オーキシン濃度が高いときに成長が促進されます。
根では、オーキシン濃度が高くなると成長が抑制されるのです。

先端では、接地面側の成長は反対側と比べて大きくなるのです。
根では、接地面側の成長は反対側と比べて小さくなるということです。

先端は接地面側がより成長し、根は接地面側の反対側がより成長します。

先端は重力方向に逆らい、上方向へ成長していきます。
よって、負の重力屈性が見られます。
根は重力方向にしたがい、下方向へ成長していきます。
よって、正の重力方向が見られるのです。