神経に関連したタンパク質について見ていきましょう。

下の図は、神経細胞が2つ隣り合っている様子の模式図です。
ちなみに、神経細胞は、英語でニューロンとも呼ばれます。

左の神経細胞に刺激が与えられた場合、その刺激はどのように伝わっていくのでしょうか。

図の左の神経細胞に刺激が与えられた場合、刺激が与えられた部分から電気が流れます。
細かい内容については、神経の範囲で詳しく解説しますが、これを興奮といいます。
興奮は、図の神経細胞の末端まで伝わります。

神経細胞の末端には、カプセルのようなものがありますね。
これをシナプス小胞といいます。
このシナプス小胞には、神経伝達物質という物質が含まれています。
この神経伝達物質が、タンパク質の一種なのです。

興奮が伝わってくると、図のように神経伝達物が放出されます。

2つの神経細胞の間にはすきまがあり、シナプス間隙と呼ばれます。
神経伝達物質は、このシナプス間隙に放出されていますね。

次に、右の神経細胞に注目してください。
神経細胞の細胞膜上には、タンパク質からできている受容体が出ています。
シナプス小胞から放出された神経伝達物質は、隣の神経細胞の受容体と結合します。

すると、受容体に神経伝達物質が結合したことを刺激として、再び電流が発生し、次の神経細胞の中へと伝わっていきます。
このように、1つの神経細胞から隣の神経細胞へ興奮が伝わることを、伝達といいます。

ポイントは、2つの神経細胞の間に直接電流が流れているわけではない、ということです。
伝達にかかわるタンパク質として、神経伝達物質と受容体をおさえておきましょう。