今回のテーマは、「イオンの濃度と液性」です。

前回は水素イオン濃度の求め方を学習しましたね。
ところで、水素イオン濃度がわかると、どのようなメリットがあるのでしょうか？
今回は、 水素イオン濃度と水溶液の液性 について学習していきます。

図のように、3種類のビーカーがあります。

それぞれのビーカーがどのような状態にあるか、考えていきましょう。

一番上のビーカー からチェックしていきましょう。
溶液中には、H⁺が3つ、OH^-が1つあります。
この2種類の関係を不等号で表すと、次のようになります。
　 [H⁺]>[OH^-]
そして、このときの溶液は 酸性 となります。
酸の原因となる H⁺が多い のですから、当たり前ですね。

続いて、 真ん中のビーカー を見てみましょう。

溶液中にH⁺とOH^-が2つずつあります。
この関係を式で表すと、次のようになります。
　 [H⁺]=[OH^-]
このときの溶液は 中性 となります。

さらに、このときには、次のような式が成り立ちます。
　 [H⁺]=[OH^-]=1.0×10^-7
こちらも重要なので、きちんと押さえておきましょう。

最後は、 一番下のビーカー です。

溶液中にH⁺が1つ、OH^-が3つありますね。
この関係を式で表すと、次のようになります。
　 [H⁺]<[OH^-]
このときの溶液は 塩基性 となります。
[OH^-]が多い から、このようになるわけです。

以上の内容をまとめると、次のようになります。
　 [H⁺]>[OH^-]ならば、酸性
　 [H⁺]=[OH^-]=1.0×10^-7ならば、中性
　 [H⁺]<[OH^-]ならば、塩基性
水素イオン濃度と水溶液の液性の関係を押さえておきましょう。