2物体の衝突後の速さを求める問題です。 なめらかな床 とあるので摩擦は考えません。また 正面衝突 とあります。正面衝突は 直線上の衝突 だと考えます。

衝突の様子について図を描いてみましょう。衝突前の速度v₀は右向きなので、右向きを正と定めます。

衝突後の物体A，Bは、右に進むのか、左に進むのか一見分かりませんね。こういった場合は 必ず正の方向に速度を取ります 。プラスの値になった場合は右向き、マイナスの値になった場合は左向きだということですね。衝突後の物体A，Bについては右向きに矢印を書き、速度をそれぞれv，Vとしましょう。

今回の問題で求めたいのは、v，Vの 速度 です。衝突前後でAとBを集めた物体系の中には 作用・反作用の内力しかはたらいていない ことに注目しましょう。 外力がはたらいていないため運動量が保存 されます。ここで、衝突前の物体Bは静止しているので運動量がないことに注意して、立式しましょう。

求めたいのは、v，Vでしたね。この式では、まだv，Vの両方が登場するので、どちらかにそろえることを考えます。

問題文では、反発係数がeだと与えられています。 物体Bの上に乗ってこの衝突を眺めた として、衝突前後の相対速度の式を立てると次のようになりますね。

後は、この①と②の式を使って、それぞれの速度を求めれば良いのです。まずは物体Bの速度Vから求めていきましょう。

正の値なので、 物体Bは右向きに進む ことが分かります。
次に、求めたVを②の式に代入して、物体Aの速度vを求めましょう。

衝突後のAの速度が求まりました。Aの符号ですが、右向きを正の方向に設定しています。出てきた答えの分子は m−eM なので、 Aの移動する方向は2つ可能性がある ということがいえます。もしも m＞eMならば、vの符号は正になるので右向き に進みます。逆に m＜eMならば、vの符号は負になるので左向き に進むということがわかります。