5分で解ける!方程式の実数解の個数(1)に関する問題
![高校数学Ⅲ](http://assets.try-it.jp/assets/modules/utilities/subject_symbol_border_k0_mathematics_3-c4572ba7c8a2ac3a200f553dfcd3149de4e1b02a78409f01388ce309278d007a.png)
- 問題
![](http://assets.try-it.jp/assets/modules/components/movie_size-f89110ba4a351d85c483bb12f73c7cf89e2ba13a9174f58b4a38599d28678843.png)
この動画の問題と解説
問題
解説
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
方程式の解の個数は,式だけ見てもまったく手掛かりがつかめません。実数解の個数といわれたときは,次のポイントのようにグラフで考えるのが解法のセオリーです。
![微分法の応用26 ポイント](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/images/k/0/mat_3/6_2_26_1/k_mat_3_6_2_26_1_image02.png)
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
ポイントの内容を詳しく解説しましょう。
(logx/x)=a
の実数解の個数を求めるときには,曲線y=(logx/x)と直線y=aとの共有点の個数を求めればよいのです。曲線y=(logx/x)のグラフは,微分して増減表を作成すれば概形がわかりますね。xy平面上に表した曲線y=(logx/x)に対して,直線y=aを上下に動かし,共有点の個数がどう変化するかを求めていけばよいのです。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
……といっても,抽象的なポイントだけではわかりづらいですよね。実際にこの問題で,実数解の個数を求めていきましょう。
x軸,y軸に近づいていく曲線
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
曲線y=(logx/x)のグラフと,直線y=aとの共有点の個数を調べます。式y=(logx/x)をパッと見ただけでは,曲線の概形はわかりません。ただし,問題文にはxが∞を目指すときの極限値が0だと与えられていますね。これより,グラフの右側はどんどんx軸に近づいていくことがわかります。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
また,logxの真数条件より,定義域はx>0です。分母が0となるx=0に近づくときのy=(logx/x)の極限は,次のように -∞ とわかります。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
つまりx=0付近では,y軸に右側からどんどん近づきながら下降していくグラフだとイメージできますね。
y'=0の解を求め,増減表をかく
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
では,曲線の形をもっと具体的に決めていきましょう。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
導関数y' は,商の微分公式より,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
x>0の範囲でy'=0 となるのは,
(分子) loge-logx=0
となるとき,つまり x=e です。y'の符号は,(loge-logx)が決定し,x=eの前後で符号が変化します。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
0<x<eでは,
(loge-logx)>0となり,y'>0ですね。よって,yは増加しています。
e<xでは,
(loge-logx)<0となり,y'<0ですね。よって,yは減少しています。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
これらの情報をもとに増減表をかくと,
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
x=eでは,
y=(loge/e)= (1/e)
で,極大値となっています。
極限値と増減表をもとにグラフをかく
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
これまでに集めた曲線y=(logx/x)の特徴を整理すると,
・0<x
・x=0では,y軸に右側から近づきながら下降
・0<x<eでは,右上がり
・x=eでは,極大値(1/e)
・e<xでは,右下がり
・右側はどんどんx軸に近づいていく
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
よって,次のようなグラフが描けます。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
いよいよ,このグラフをもとに直線y=aとの交点の個数を求めていきましょう。
直線y=aを上から下げていく
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
交点の個数を考えるときは,直線y=aを上下に動かすのがわかりやすいです。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
まず,y=aがグラフの上側にあるときは,交点0個ですね。ここから,直線を少しずつ下げていくと,
y=(1/e) で,曲線の極大値と交わり,交点1個
0<y<(1/e) で,曲線と2点で交わり,交点2個
y≦0 で,曲線と1点で交わり,交点1個
とわかります。
![lecturer_avatar](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/asami.png)
交点の個数が,まさしく方程式の実数解の個数示すので,次のように答えが出せます。
![微分法の応用26 答え](https://d12rf6ppj1532r.cloudfront.net/images/k/0/mat_3/6_2_26_1/k_mat_3_6_2_26_1_image07.png)
![](http://assets.try-it.jp/assets/modules/utilities/logo_black-a711ae7f4c2af1410b916e7066a5e8950d6f2f3a2150e093b6dc878ad8f31d3f.png)
方程式(logx/x)=aの実数解の個数を求める問題です。この方程式を満たすxの値が,1個なのか2個なのか,あるいは3個,4個……なのかを答えればよいのですね。