ポイントの２つ目は「モロッコの領有問題」です。
英仏協商によってモロッコにおける優越権を承認されたフランスは、この後モロッコの領有権をめぐって ドイツ と対立することになりました。

いったいなぜ、ドイツはモロッコを狙ったのでしょうか？こちらを見てください。

地図にはモロッコの位置と イギリスがインドへ向かう最短ルート が示されています。そう、ドイツがモロッコを狙ったのは イギリスのインド進出を妨害するためだったのです。

フランスとドイツはモロッコをめぐって２度衝突することになりました。１度目が 第１次モロッコ事件 、別名 タンジール事件 といいます。

1905年、モロッコのタンジール港にドイツ皇帝 ヴィルヘルム２世 が突如艦隊を率いて現れ、モロッコの独立を宣言した事件です。

あわやフランス・ドイツの武力衝突かと思われましたが、フランスの提案で国際会議が開催されることになりました。イギリスがフランスの味方をしたこともあり、ドイツが孤立する一方フランスのモロッコ進出は黙認される結果となりました。

しかしドイツはあきらめません。1911年には 第２次モロッコ事件 、別名 アガディール事件 が発生しました。

先住民族の反乱が発生したことをきっかけに、ドイツ皇帝 ヴィルヘルム２世 がモロッコのアガディール湾に軍艦を派遣した事件です。

再び戦争の危機となりましたが、イギリスがフランスを支援したこともあってドイツは撤退し、フランスは1912年に モロッコを保護国化 することに成功しました。

タンジール事件とアガディール事件。２つの事件をしっかり覚えておきましょう。