ポイントの3つ目は、「商業革命と価格革命」です。
大航海時代、ヨーロッパ諸国がアジアや新大陸へ進出したことで、ヨーロッパ・アジア・アメリカの社会に大きな変化が見られました。特に影響が大きかったのが ヨーロッパ です。今回は、大航海時代がヨーロッパにもたらした ２つの変化 を学習します。

１つ目の変化が 商業革命 です。
大航海時代に航路が開拓されたことで、ヨーロッパとアジア・アメリカとのつながりが生まれました。すると、これまでヨーロッパの中だけで完結していた経済活動が地球規模に拡大することになったのです。

そうなると、アジアやアメリカに接続しやすい場所が栄えることになります。これまでヨーロッパの中だけで商品をやり取りしていたときは 地中海やバルト海沿岸 が商業中心地でしたが、そこからアジアやアメリカへ船で向かうのは不便です。

結果、アジアやアメリカへの接続が便利な、大西洋沿岸の リスボン や アントウェルペン といった都市が栄えることになりました。

大航海時代がもたらしたもう一つの変化は 価格革命 です。新しく発見されたアメリカ大陸では 銀 が大量に産出しました。その銀が大量に流入したことで、ヨーロッパでは 銀の価値が急激に下がりました。

通貨である銀の価値が下がったことで、ヨーロッパでは 物価が急激に上昇しました。 お金の価値が低ければ、同じものを買うにもたくさんのお金を出す必要があります。当時のヨーロッパでは 物価上昇 が起きていたのです。これを「 価格革命 」と表現します。

急激な物価上昇に対し、商工業者たちはうまく対応しました。物価の上昇に合わせ、商品の値段も上げることで利益を確保したのです。こうして価格革命の中、西ヨーロッパでは 商工業が発展をみせました。

一方、土地の値段を一定とする 固定地代 を導入していた 領主層は没落 していきました。自分の収入である土地代を固定にしていたせいで、物価上昇に対応できなかったのです。

以上、今回は大航海時代がヨーロッパに与えた変化を学習しました。商業革命と価格革命、２つの変化をしっかり覚えておきましょう。