古代オリエントの4回目。
今回は「地中海東岸の民族」について勉強します。

ポイントの1つ目は「地中海東岸地域の生活」です。
まずは今回の舞台を地図で確認しましょう。
こちらを見てください。

地図中の シリア・パレスチナ が指し示す地域、これが今回の舞台です。
この地域は 大きな川がないので、農業生活にあまり適していません。
では、地中海東岸の人びとはどのような生活を送っていたのでしょうか？

シリア・パレスチナ地域のすぐ西側に開けているのは 地中海 です。
人びとは 海に出て交易活動を行いました。
この地域は交易活動をするのに適した地域だったのです。

交易活動に適した地中海東岸地域には、ヒッタイトやエジプト新王国が侵入してくることがありました。
ところが、ある民族がこの地域を荒らしまわったため、ヒッタイトは滅び、エジプト新王国は弱体化することになります。
その民族は「 海の民 」と呼ばれます。

海の民の侵入により、ヒッタイトやエジプトが衰退した結果、
地中海東岸地域から大国が撤退することになりました。
これを 権力の空白化 といいます。
大国の支配がなくなったことで、もともとこの地域に住んでいた民族が、独自の活動をさかんに展開することになったのです。