5分でわかる!万有引力による位置エネルギー
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この動画の要点まとめ
ポイント
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これまで学習した保存力には 重力mg と ばねの力kx があり、物体に保存力がはたらくときは 位置エネルギー を考えることができました。重力が保存力であるならば、当然、重力の正体である万有引力も保存力だと言うことができますよね。 万有引力も保存力 の1つで、 位置エネルギー を考えることができるのです。
位置エネルギーの基準点
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地球の重心からr[m]離れた点Aに衛星があると考えましょう。
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この衛星が受ける万有引力Fは、
F=GMm/r2
となることは学習しました。では、この衛星がもつ、万有引力による位置エネルギーはどう計算できるでしょうか?
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位置エネルギーを考えるには、基準点が必要 でした。これまで重力による位置エネルギーでは、地面を基準点として考えてきました。 基準点はどこをとってもいい のですが、今回は点Aよりも地球にさらに近い地球の重心からr0離れた位置を基準点Oとして定めました。
万有引力がする仕事=位置エネルギー
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さて、位置エネルギーは点Aから基準点Oまでの移動について考えます。 この移動によって万有引力がする仕事が、点Aでの位置エネルギー となります。(力)×(移動距離)=F×(r-r0)で簡単に計算できる……と思うかもしれませんが、実はそれは間違いです。万有引力Fの値は一定ではないからです。衛星が地球に近づけば近づくほど、万有引力Fの値は大きくなります。その様子をグラフ化したものが下図です。
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グラフは縦軸を万有引力の大きさF、横軸を地球の重心からの距離xとしています。地球から衛星までの距離をx[m]とすると、万有引力FはF=GMm/x2と計算されます。xが小さくなればなるほど、Fは大きくなることが分かりますね。
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では、このように力が一定ではないときに、どうやって仕事を計算するか覚えていますか? グラフの面積 から求めることができましたね!rからr0まで移動させたときの仕事WA→Bは、下のグラフの斜線部分となります。
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ここでグラフの面積を計算するためには、数学の積分の知識が必要になります。図の曲線とx軸で囲まれた部分の面積を計算するためには、万有引力GMm/x2について、rからr0の範囲で定積分をします。すると、
U=WA→B=−GMm(1/r−1/r0)
という式が導き出されます。
基準点は「無限遠」が一般的
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位置エネルギーの基準点は、どこを取っても大丈夫でしたね。位置エネルギーの式
U=WA→B=−GMm(1/r−1/r0)
をできるだけ簡単にするため、思い切った位置に基準点をとってみましょう。r0を宇宙の果て、 無限遠 にとってみます。無限遠を基準点をとるとr0 は∞となり、1/r0はr0が大きくなればなるほどどんどん小さくなって、1/r0≒0と考えることができます。すると、無限遠を基準にとったときの万有引力の位置エネルギーの式は次のように考えられますね。
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万有引力による位置エネルギーの基準点は無限遠にとるのが一般的です。式には、マイナスが付くことに注意してください。
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今回は 万有引力による位置エネルギー について解説していきます。