今回は、遺伝子発現について見ていきます。

ある遺伝子によって細胞や生物が特有の性質を発揮することを、遺伝子発現といいます。
しかし、特定の遺伝子をもっていれば、必ずその性質が現れるというわけではありません。

次の図を見てください。
これは、生物において遺伝情報が伝達される様子を模式的に表したものです。

まず、核内にあるDNAがRNAに写し取られることを、転写といいます。
次に、そのRNAに基づいて、タンパク質が合成されることを、翻訳といいます。
そして、このような流れ全体を、セントラルドグマといいました。

このように、遺伝情報は、DNA→RNA→タンパク質と伝わっていきます。
そして、最終的に生物の形質に左右するのは、タンパク質です。
つまり、特定のDNAをもっていても、タンパク質が合成されなれけば、その形質は発現しないのです。

DNAというよりも、合成されたタンパク質次第で、形質が決まってくるのですね。