5分でわかる!払えるワケがない!ドイツを苦しめたお金のトラブル
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この動画の要点まとめ
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借金返済に苦しむドイツ!フランスはルール地方を占領
第一次世界大戦後、敗戦国ドイツは連合国と ヴェルサイユ条約 を締結しました。ヴェルサイユ条約ではドイツの 賠償金支払い が規定され、後に総額が1320億金マルクと決定しました。
1320億金マルクは、現在の日本円にして約 200兆円 に相当します。当時のドイツの国家予算の何十年分にもあたる金額でした。
ドイツは戦争によって街が荒廃し、経済状況は下降気味でした。1320億金マルクなんてとても支払えません。
ドイツの賠償金支払いが滞ると、これを理由に フランス が、ベルギーと共に ルール 地方を占領しました。ドイツ西北部に位置するルールは、ヨーロッパ最大の 炭鉱 を有する工業地帯として有名でした。
これに対しドイツは、労働者が生産を停止するといった「消極的抵抗」を行いました。すると、生産が低下したことで インフレーション が発生しました。値段が急激に上がることをインフレーションといいます。こうしてドイツ経済はピンチに陥ってしまいました。
アメリカがドイツを救済!
そんなドイツを救済したのが アメリカ です。アメリカの銀行家 ドーズ は、ドイツの賠償金支払いの方法や期限についての新しいプランを考えました。これを ドーズ案 といいます。
ドーズ案が成立したことで、ドイツ、アメリカ、イギリス・フランスの間で次のような関係が生まれることになりました。アメリカがドイツにお金を貸し、これを使ってドイツは復興を進め、英仏に賠償金を払います。英仏はそのお金で経済を復興し、第一次世界大戦でアメリカから借りていたお金を返す、という関係です。
ドイツが賠償金を支払う体制が整ったことで、フランスはルールから撤兵しました。その後ドーズ案に続いて ヤング案 が出され、ドイツの賠償金は減額されました。
世界恐慌の発生!
こうしてドイツの賠償問題が解決するかと思われた矢先、なんと1929年に 世界恐慌 が発生し、世界中が金融危機に見舞われました。
そこでアメリカは フーヴァー=モラトリアム を発表し、各国の賠償支払いや、アメリカへの借金支払いを1年間延期すると宣言しました。
アメリカのねらいはドイツを助けることにありました。世界恐慌の影響を受けたドイツに対し、イギリス・フランスへの賠償金支払いやアメリカへの借金返済を猶予することで、ドイツの金融恐慌を防止しようと考えたのです。
しかし、アメリカのねらい通りには行きませんでした。各国の経済状況は悪化し、ドイツの賠償金支払いも再び滞ることになってしまったのです。
ポイントの2つ目は「ドイツ賠償問題をめぐる各国の動向」です。
莫大な賠償金に苦しむ敗戦国ドイツと、ドイツの賠償問題をめぐる各国の動きに注目します。