軌道電子の運動方程式は以下のように表すことができます。

軌道半径rと電子の速さvについて、もう1つの条件式である 量子条件 を解説しましょう。

量子条件 は、質量m、速さv、軌道半径rで、原子核のまわりを等速円運動する電子が満たす条件式のことです。下の図のように、電子を粒として捉えると、電子は軌道上を回ると考えられますよね。

ここで、電子には 波の性質もある ということを考えましょう。軌道上に電子の波が存在するとします。電子の波を連続的につなげていくと、連続した波が滑らかにつながり、円を1周することになりますね。円周は2πrなので、波が自然数n個つながった長さがぴったり2πrであれば、滑らかになります。電子の波長をλ_eとすると、次の式で表すことができますね。

この式を 量子条件 といいます。さらに、ド・ブロイの波長公式からλ=h/mvと表すと、
2πr=nh/mv
となります。この式にはrとvが含まれているため、軌道電子の運動方程式と合わせると、rとvについて解くことができます。次の練習問題を通して、実際に水素原子の軌道半径を求めてみましょう。