今回は、形態形成について見ていきます。

ショウジョウバエの体軸決定について確認しましょう。
次の図を見てください。

ショウジョウバエは、卵母細胞のときにビコイドとナノスという遺伝子のmRNAを含んでいました。
これらの遺伝子は、発現することでそれぞれビコイドタンパク質とナノスタンパク質を合成します。
それぞれのタンパク質はグラフのような濃度勾配を形成しました。

ショウジョウバエの体は、ビコイドタンパク質が多く分布するほうが前、ナノスタンパク質が多く分布するほうが後ろになるのです。
それぞれのタンパク質が細胞内で濃度勾配を形成することで、前後軸が決定するということですね。

体の前後の向きが決定すると、次は体の領域が細かく分かれていきます。
このときの領域を体節、その原因となる遺伝子を分節遺伝子といいます。

実は、分節遺伝子の発現は、ビコイドやナノスのような母性因子によって調節されるという特徴があります。
この仕組みについて、詳しく学習していきましょう。