ポイントの2つ目は「反核運動」です。
各国が核兵器の開発を進める中、ある事件をきっかけに核兵器への反対運動（反核運動）が世界的に発生することになりました。詳しく見ていきましょう。

皆さんは、世界史上最も衝撃的な核実験を知っていますか？それは ビキニ水爆実験 です。中部太平洋のビキニ環礁でアメリカが水爆実験を実施し、「死の灰（＝放射線）」を浴びた周辺住民が被爆してしまいました。

さらに、日本のマグロ漁船 第五福竜丸 の乗組員も被爆しました。第二次世界大戦末期の広島・長崎に続き、日本はまたもや核の被害を受けることになったのです。

第五福竜丸事件の後、日本の東京都杉並区から 原水爆禁止運動 が全国的に始まりました。やがて、この動きは 世界的な核廃絶運動 へ発展することになったのです。

世界的な反核運動においては バートランド＝ラッセル という人物が大きな影響力を持ちました。彼は世界中の全ての人が核廃絶を訴える必要があると主張し、世界で最も有名な物理学者であった アインシュタイン とともに ラッセル・アインシュタイン宣言 を発表したのです。

アインシュタインといえば、かつてアメリカに力を貸し、核兵器の開発に貢献した人物です。そんな人物が核兵器や核戦争の危険性を訴えるのですから、この宣言には非常に説得力がありました。

その成果もあって、科学者たちがカナダに集まり、国際問題について議論する パグウォッシュ会議 が開催されました。この会議は一回きりではなく、その後も定期的に開催されました。

大国が核開発を進めるなかで、科学者たちを中心とする反核運動が発生したことをおさえておきましょう。