高校世界史B

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5分でわかる!腐敗を許すわけにはいかない!

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この動画の要点まとめ

ポイント

腐敗を許すわけにはいかない!

高校世界史 中世ヨーロッパ世界の展開2 ポ1 答え全部

これでわかる!
ポイントの解説授業
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中世ヨーロッパ世界の展開、第2回。
今回は「ローマ=カトリック教会の全盛期」について学習します。

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ポイントの1つ目は「教会刷新運動と叙任権闘争」です。
まずは、ローマ教会が行った 内部改革 である「教会刷新運動」について勉強します。

教会刷新運動とは?

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中世西ヨーロッパでは、教会を改革しようとする 教会刷新運動 が見られました。この運動は別名 修道院運動 とも呼ばれます。いったいなぜ、このような運動が発生したのでしょうか?

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まずは、当時の西ヨーロッパ世界の状況を確認しましょう。こちらを見てください。

ポ1/冒頭の「中世西ヨーロッパ世界」の図のみ

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前回の授業の復習です。
ローマ教会は軍事力を持っていないため、西ローマ帝国が滅亡すると 新たな政治的保護者を必要としました。 その役割を担ったのが、ゲルマン人が建国した フランク王国 でしたね。

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そのフランク王国は、9世紀になると 3つに分裂してしまいます。 東フランク・西フランク・中部フランクの3つです。ローマ教会は、この中で 東フランク王国 に保護を求め、国王 オットー1世ローマ皇帝位を授与 します。これ以降、東ローマ帝国は 神聖ローマ帝国 と呼ばれるようになったのです。以上が、前回までの授業で学習した内容でした。

聖職売買や聖職者の結婚!ローマ教会が腐敗していく...

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この後、ローマ教会にとって困ったことが起こりました。なんと、 神聖ローマ皇帝が教会への干渉を強めた のです。神聖ローマ皇帝は、自らの統治のために教会を利用しようと考えていました。

ポ1/冒頭の「中世西ヨーロッパ世界」の図のみ

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ローマ皇帝は、ローマ教会の「支店」を次々に買収します。すると、買収された「支店」において 聖職売買聖職者の結婚 が行われるようになったのです。

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聖職売買とは、 聖職者の地位をお金でやり取りすること です。また、 神に仕える聖職者は本来、独身でなければなりません。 聖職者の結婚は、ローマ教会の教えには背くものなのです。

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神聖ローマ皇帝に買収された教会では、 聖職売買聖職者の結婚 といった 世俗化 が進んでいきました。これが教会の「 腐敗 」なのです。

教会を刷新しよう!修道会が中心となり、教会刷新運動が始まる

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こうした状況を打破するために、このポイントのテーマである「 教会刷新運動 」が始まりました。教会刷新運動のさきがけとなったのは、 クリュニー修道院 でした。修道院とは 聖職者を育てる学校 のことです。クリュニー修道院は、教会ではたらく聖職者の教育に力を入れ、教会の世俗化を食い止めようとしたのです。

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さらに、フランスの シトー修道会 は「大開墾運動」を進めました。土地を開墾して村を作り、新たに教会を建設したのです。この運動により、世俗化していない、まっさらな状態の教会が増えていきました。

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加えて、13世紀頃からは 托鉢修道会 の活動が活発化しました。財産を持たず、信者からの施しをよりどころとして活動を続ける修道会のことを 托鉢修道会 といいます。托鉢修道会の修道士は、聖書のみを携えて各地を歩き回り、人々にキリスト教の教えを広めました。アッシジ(イタリア)の フランチェスコ修道会 や、南フランスの ドミニコ修道会 が代表的な托鉢修道会です。

ポ1/左ページのテキスト部分/聖職売買・聖職者の結婚~南フランス、まで/答え入り

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以上のように、神聖ローマ皇帝の干渉に対し、ローマ教会では 修道院を中心とした内部改革が盛んになりました。 この改革を 教会刷新運動 と言います。しっかり覚えておきましょう。

叙任権闘争!聖職者の任命権は誰のもの?

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教会への干渉を強める神聖ローマ帝国と、教会刷新運動を進めるローマ教会。両者の溝は深まり、ついに 叙任権闘争 という事件が起こりました。こちらを見てください。

ポ1/右ページの「叙任権闘争」の項目/答え入り

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神聖ローマ帝国による教会への干渉を、当然ローマ教会は快く思っていませんでした。そんな中、ローマ教皇 グレゴリウス7世 は、神聖ローマ皇帝に対して 「聖職叙任権」は教皇がもつ ことを宣言したのです。聖職叙任権とは 聖職者を任命する権利 のことです。

ローマ教皇が神聖ローマ皇帝を破門!

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神聖ローマ皇帝 ハインリヒ4世 は、教皇の主張を拒否しました。こうして教皇と皇帝が対立したのです。両者の溝は埋まらず、ついに教皇は 皇帝を破門してしまいました。 ここで言う「破門」とは、「 キリスト教徒であることを認めない 」という宣告のことです。

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強気だった皇帝も、この宣告には大きなショックを受けました。中世ヨーロッパ世界において、キリスト教徒でなくなることは、一国の君主であっても耐え難いことだったのです。

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結局、皇帝は教皇に屈しました。
1077年の カノッサの屈辱(カノッサ事件) で、皇帝は教皇の元を訪れて謝罪します。教皇は皇帝の破門を解きましたが、この事件で両者の立場がはっきりしました。 教皇が皇帝よりも強い力を持つことが決まった のです。1122年に ヴォルムス協約 が締結され、 叙任権は教皇が持つ ことが確認されました。

ポ1/右ページの「叙任権闘争」の項目/答え入り

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教会刷新運動叙任権闘争 を経て、ローマ教会の権威は上昇することになりました。この流れをしっかり覚えておきましょう。

この授業の先生

新里 将平 先生

「世界史を楽しく,わかりやすく教えたい!」をモットーにストーリー性のある授業展開で、歴史上の人物や国が当時何を考え、どう動いたかを感情を込めて伝える。

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