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5分でわかる!LC共振回路

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この動画の要点まとめ

ポイント

LC共振回路

高校物理 電磁気59 ポイント1 全部

これでわかる!
ポイントの解説授業

LC共振回路とは?

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前回の授業で、 並列共振 について学習しました。コンデンサーとコイルを並列接続し、交流電源につなげたとき、条件が整うと コンデンサーとコイルの間にだけ電流が流れる並列共振の状態 を作り出すことができます。このとき、 交流電源から流れ出る電流は0 になりましたね。

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この並列共振を利用して、 コイルLとコンデンサーCによって電流を流す回路LC共振回路 と言います。

充電したコンデンサーとコイルを接続

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LC共振回路では、下の図のように、充電したコンデンサーとコイルを用意します。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図 スイッチ開ける

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電気容量Cのコンデンサーに電気量Qが蓄えられています。自己インダクタンスLのコイルには電流が流れていません。

コンデンサーの正電荷が移動 コイルに誘導起電力が発生

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先ほどの図の状態からスイッチを閉じます。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図

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スイッチを閉じた瞬間、コンデンサーの上の極板の正電荷が移動し、 電流Iがコイルに向かって流れようとします。 このとき、コイルには、 自己誘導 により 電流の変化を妨げる方向に誘導起電力が発生 しますね。したがって、電流が急激に増加することはありません。

電流が最大になると……

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コンデンサーの上の極板が徐々に正電荷を放出し、やがて コンデンサーの電気量が0になる ときがきます。このとき、コイルを流れる 電流Iは最大値I0 を取ります。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図 Qを0に変更、I=0を下向きの矢印I<sub>0</sub>に変更

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電流Iが最大になるとき、電流の変化は0になるので、コイルに生じる誘導起電力も0となります。しかし、ここで電荷の移動が止まるわけではありません。

下の極板に電気量+Qが充電される

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電流は最大値I0をとった後、減少を始めますね。すると、コイルには、 電流の減少を妨げる方向に誘導起電力が発生 します。つまり、コンデンサーの電気量が0になったあとも、 上の極板から正電荷の移動が続く のです。しばらくすると、今度はコンデンサーの下の極板に+Qの電荷がたまることになります。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図 +QとーQの位置を逆にする

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このとき、 コイルには電流が流れなくなり、I=0 となります。

交互に電流が流れる電気振動

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下の極板に電気量+Qが蓄えられた状態をよく見てみましょう。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図 +QとーQの位置を逆にする

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スイッチを入れた直後の状態と比べると、 帯電量が上下の極板で逆になっただけ ですよね。今度は、下の極板が高電位となったので、正電荷が先ほどとは逆向きに流れるようになります。

高校物理 電磁気59 ポイント1 左の図 Qを0に変更、I=0を上向きの矢印I<sub>0</sub>に変更

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電流が上向きに最大値I0になる と、 極板の電気量は0 となります。しかし、電荷の移動はこの後も続き、やがて上の極板に電気量Qが蓄えられて……と延々と繰り返すことになるのです。

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このように、交互に向きの変わる電流( 振動電流 )が流れる現象を 電気振動 と言います。

電気振動でも「リアクタンスが一致」

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電気振動が生じている回路は、コンデンサーの極板間の電位差とコイル両端の電位差が常に等しくなります。 並列共振 と同様、
ωL=1/ωC
となり、 コイルとコンデンサーのリアクタンスが一致 します。

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また、電流Iと時間tとの関係は、時計回りの向きをプラスとしたとき、下の図のようなグラフで表されます。

高校物理 電磁気59 ポイント1 右の図

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一種の交流回路とみなすことができ、 周期はT=2π/ω で表されます。並列共振の条件式 ωL=1/ωC とあわせて考えれば、周期Tを求めることができますね。具体的な計算は次の練習問題で扱います。

LC共振回路ではエネルギーが保存される

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さて、 LC共振回路 では、もう1点重要なことを解説しておかなければなりません。 エネルギーの保存 についてです。

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実は、 LC共振回路におけるコンデンサーのエネルギーUCとコイルのエネルギーULの合計は保存される のです。なぜなら、この回路には抵抗がありません。導線などの抵抗が0であれば、熱エネルギーとして失われる恐れがないのです。そのため、以下のような関係式を立てることができます。

高校物理 電磁気59 ポイント1 クマさんのまとめ2行目 空欄埋める

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コンデンサーとコイルのエネルギーの合計が一定なので、もし片方が0ならば、もう片方は最大値となります。

この授業の先生

鈴木 誠治 先生

知識ゼロからでもわかるようにと、イラストや図をふんだんに使い、難解な物理を徹底的にわかりやすく解きほぐして伝える。

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