5分でわかる!力の分解と坂の運動
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この動画の要点まとめ
ポイント
斜面の物体にかかる力は、重力の分力と抗力を使って考える
図の左のように、斜面に台車があります。
この台車を手で引っ張っていますね。
つまり、この手を離すと、台車は斜面を下っていきます。
次に、図の右側はどうでしょうか?
右側は、左側よりも勢いよく下っていきますね。
それでは、どうして台車は下っていくのでしょうか?
分力の考え方を使いながら、探っていきましょう。
まず、台車にはたらいている力を考えます。
地球上にある物体には、地球に引っ張られる「重力」がはたらいています。
さらに、この物体は斜面に触れていますね。
そのため、物体は斜面に垂直に押されています。
また、今は斜面を下っているときの力を考えているので、手で引っ張る力は考えません。
それでは、この2つの力がはたらくと物体はどうなるか、考えてみましょう。
まずは、右下向きとその垂直な向きに点線を引きます。
重力をこの2つの方向に分けましょう。
力をわけるためには、矢印の先端から点線に平行な線を引くのでしたね。
このように四角形をつくると、重力の分力を考えることができました。
この場合、台車はどのように動くでしょうか?
まず、斜面に垂直な方向から考えていきます。
斜面に垂直な方向には、重力の分力の他に、斜面が台車を押す力がはたらいていますね。
実はこの2つの力は打ち消し合うのです。
2つの矢印は反対向きで、長さも等しいからですね。
すると、残るのは、右下方向の力です。
この右下方向の力によって、台車は右下方向に動いていくのです。
次に図の右についても考えてみましょう。
台車の中心から、下方向に重力をかきます。
さらに斜面に垂直な方向に抗力を表す矢印をかきます。
重力の矢印を、右下向きとその垂直な向きに分けましょう。
2つの向きに平行な線を引いて、四角形をつくるのでしたね。
これによって、2つの矢印ができました。
この場合にも、斜面に垂直な分力と抗力が打ち消しあいます。
ですから、残るのは右下向きの分力ですね。
この力によって、台車は斜面を下っていくわけです。
最後に図の左と右を比べて見ましょう。
重力を表す矢印は同じ長さですね。
しかし、右下向きの力は、図の右の方が大きいですね。
ですから、図の右の方が、台車が勢いよく下っていくわけですね。
力の分解の考え方を使って、少し難しいことを考えて見ましょう。