ポイントの２つ目は「社会主義運動」です。
帝国主義時代のイギリスで見られた 労働運動 について学習します。

帝国主義の時代、イギリスは産業発展や植民地拡大を成し遂げました。その一方、国内では会社の倒産や失業者の増加など様々な社会問題が発生していたのです。

政府はこれらの社会問題にうまく対応できませんでした。そんな中、イギリスでは労働者や失業者の救済を求める 社会主義運動 が高まるようになりました。

これから、社会主義運動を行った３つの組織・団体を紹介します。１つ目は フェビアン協会 です。

フェビアン協会は 知識人 を中心とした 改良主義的 な社会主義団体です。活躍した知識人として有名な人物に ウェッブ夫妻 や バーナード＝ショー がいます。

改良主義とは、急激な改革を行うのではなく ゆっくりと段階的に 社会を改良していこうとする考え方です。ちなみに、改良主義と正反対の考え方を急進主義といいます。

1900年にはフェビアン協会などの社会主義団体や労働組合が結びついて 労働代表委員会 が結成されました。

労働代表委員会は選挙で議席を獲得するまでに成長し、1906年には 労働党 と呼ばれる政党になりました。労働党は21世紀の現在でもイギリスに存在しています。

労働党にはこれまでの社会主義政党と大きく違う点がありました。暴力を用いて急進的に改革を進めるのではなく 議会を通じてゆるやかに改革を進めていく路線をとったのです。 民主的な手段によって社会主義的な改革を目指すという画期的な考え方でした。