ポイントの3つ目は「ヘレニズム時代の彫刻」です。
ヘレニズム文化もいよいよ大詰め。
最後は 彫刻 について勉強しましょう。

ヘレニズム文化より前の時代、ギリシア文化の彫刻がどのような特徴をもっていたかご存知ですか？
実は、ギリシアの時代、彫刻は 筋肉美 を強調するつくりが多かったのです。
筋肉の力強さを強調する彫刻 が好まれたということですね。

しかし、ヘレニズム時代になると変化が見られます。
こちらを見てください。

左は ミロのヴィーナス 像です。
首がちょっと向こうを向いていたり、腰のラインや布のひだが細かなつくりをしています。
とても 石造彫刻 とは思えないほど、 曲線が多い 像です。

右は ラオコーン という彫刻です。
この彫刻にも いたるところに曲線が見られます。
ちなみにこの作品は、ラオコーンという神官が女神アテナの怒りを買い、彼女が送り込んだ大蛇に、ラオコーンとその子供たちが襲われているシーンを再現しています。

二つの彫刻からわかるように、ヘレニズム時代の彫刻は 曲線美 が強調されていました。
どちらの作品も、石からつくったとは思えないほど、曲線が再現されています。
ヘレニズム時代の彫刻の特徴と代表的な作品、しっかり覚えておきましょう。