5分でわかる!コンデンサー回路の解法

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この動画の要点まとめ

ポイント

コンデンサー回路の解法

高校物理 電磁気19 ポイント1 全部

これでわかる!
ポイントの解説授業
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今回は、コンデンサーを含む複雑な回路の解法について解説します。例えば、次の回路を見てみましょう。

高校物理 電磁気19 ポイント1 図 +Q<sub>1</sub>,-Q<sub>1</sub>は0に変える 閉じているスイッチSを開いた状態にする +Q<sub>2</sub>,-Q<sub>2</sub>は+Q,-Qに変える 左の電池の下に6V,右の電池の下に4Vといれる フォルダ内同封のパワポ参照

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2つの電池に対して、2つのコンデンサーが接続されています。C1は電荷がありませんが、C2には始めから電荷Qが蓄えられています。この回路のスイッチSを入れると、どうなるかわかりますか?

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複雑そうに見えますよね。このような回路が出てきたとき、どんな手順で立式していけばよいのでしょうか?解くときには、次の 3つの手順 をおさえてください。

コンデンサー回路の解法手順
高校物理 電磁気19 ポイント1 クマさんのまとめ 空欄埋める
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1つ1つの手順を具体的に解説していきましょう。

導線の電位を決める!(アースがあれば0[V])

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コンデンサー回路の解法手順1
「導線の電位を決める!(アースがあれば0[V])」
回路の問題では、 それぞれの導線の電位を定める ことからはじめます。先ほどの図において、スイッチSを入れて十分時間が経過したあとの回路を見てみましょう。

高校物理 電磁気19 ポイント1 図 左の電池の下に6V,右の電池の下に4Vといれる +Q<sub>1</sub>、-Q<sub>1</sub>、+Q<sub>2</sub>、-Q<sub>2</sub>をカットする

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それぞれの導線の電位を定める とき、注目すべきなのは、2つの電池の間にある アース です。アースとは 地面 のことで、導線を アース(地面)につないだ 場所は、電位が地面と同じ 0[V] となります。「 アースがあれば必ず0[V] 」と覚えておきましょう。アースにつながれている導線はすべて0[V]となり、基準点となります。

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アースを含む導線の電位を0[V]としたとき、その他の導線の電位はどうなるでしょうか? 電池は電位差を一定に保つ 役目があるので、左の電池からC1までの導線が6[V]とわかります。また、右の電池の負極はアースよりも4[V]低いので−4[V]となります。

高校物理 電磁気19 ポイント1 図 左の電池の左下に+6V,右の電池の右下に-4Vといれる アースの下に0Vといれる +Q<sub>1</sub>、-Q<sub>1</sub>、+Q<sub>2</sub>、-Q<sub>2</sub>をカットする

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すると、2つのコンデンサーの間だけが未知の値なのでVとおけます。

コンデンサーの基本公式Q=CVを活用

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コンデンサー回路の解法手順2
「Q=C(VA-VB)」
電位差を定めることができたら、 コンデンサーの基本公式Q=CVを活用して立式 します。Q=CVにおけるVは電位差なので、正極板の電位VAから負極板の電位VBを引いたVA-VBであることに注意してください。試しに、次の図を見ながら、コンデンサーの基本公式Q=CVを活用して立式してみましょう。

高校物理 電磁気19 ポイント1 図 左の電池の左下に+6V,右の電池の右下に-4Vといれる アースの下に0Vといれる

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C1、C2に蓄えられた電荷はそれぞれQ1、Q2と置いています。符号は、仮に自分が高電位だと思う方をプラスとしてください。(計算の結果、答えがマイナスであれば、マイナスのまま答えとすればよいのです。)

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コンデンサーC1において、 コンデンサーの基本公式Q=CVを活用して立式 すると、
Q1=C1(+6−V)
電位差はプラス側の電位からマイナス側の電位を引きましょう 。これは大事なルールです。同様に、コンデンサーC2において、
Q2=C2{V−(−4)}

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このように、コンデンサー回路では 基本公式Q=CVを活用して立式 していきます。

電気的な孤立部分は、電気量が一定!

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コンデンサー回路の解法手順3
「電気的な孤立部分は、電気量が一定!」
複雑なコンデンサー回路は、手順2の立式だけでは情報が足りません。 電気的に孤立している場所 に注目して、別の式を立てましょう。この回路の中でも、電気的に孤立している部分があります。外部と連絡のない導線部分、つまり2つのコンデンサーに挟まれた部分です。

高校物理 電磁気19 ポイント1 図 左の電池の左下に+6V,右の電池の右下に-4Vといれる アースの下に0Vといれる

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電気的に孤立した場所の電気量は変化しない のでしたね。2つのコンデンサーに挟まれた部分の電気量はもともとQだったので、
−Q1+Q2=Q
が成り立ちます。

3つの解法手順のまとめ

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このようにして、未知数Q1、Q2、Qについての式を3つ立てることができました。3つの式を連立することで、未知数Q1、Q2、Qの値を具体的に求めることができます。

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複雑なコンデンサー回路で大事なのは、次の3つの解法手順をしっかり押さえることです。

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練習問題を通して、この手順を身につけましょう。

この授業の先生

鈴木 誠治 先生

知識ゼロからでもわかるようにと、イラストや図をふんだんに使い、難解な物理を徹底的にわかりやすく解きほぐして伝える。

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