5分でわかる!薄膜の干渉条件
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この動画の要点まとめ
ポイント
薄膜の表面と裏面で反射した2つの光の干渉
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空気中に置かれた屈折率n、厚さdの薄膜に、光が入射するケースで考えましょう。
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ある光が点Pで屈折し、点Qで反射し、点Rで屈折して再び空気中に出ています。この光に平行なもう1つの光は膜の表面の点Rで反射し、先ほどの光と同じ方向に進んでいます。この2つの反射光の干渉条件はどうなるでしょうか?
2つの光の距離差は?
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光の干渉条件は、基本的に
(距離差)=(半波長)×(偶数倍or奇数倍)
で考えます。まずはこの2つの光の距離差が知りたいですね。
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ポイントは2つの光線が 平行 に入射しているということです。平行光線が入射しているときは、次の図のように、波の進行方向に垂直な波面を描いてみましょう。
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波面は同位相の場所を結ぶ線でしたね。するとPを通る波面はTと垂直なのでPTが同一波面ですね。さらに進むと、屈折後の波面RはSと垂直なのでSRが同一波面となります。したがって、2つの光の距離の差は、図より SQ+QR となることがわかりましたか。
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ここで、距離差SQ+QRを求めるため、図のように補助線を引きます。
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薄膜の裏面について点Rを対称移動させた点をR'とすると、QR=QR'となります。距離差SQ+QR=SQ+QR'=SR'となり、直角三角形SRR'に注目すると、
SR'=2dcosr
となりますね。
距離差を「光学的距離」で考える!
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ただし、ここでよく注意してください。もう一度図を見ると、距離差が生じている部分は、空気中ではありません。屈折率nの薄膜中です。
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こういうケースでは 光学的距離 に補正しなければなりません。距離差を光学的距離で考えるため、 SR'=2dcosr を n倍 します。
(2dcosr)×n
光学的距離に補正した距離差 を 光路差 と言いましたね。
薄膜により光の干渉条件は、
(光路差2ndcosr)=(半波長)×(偶数倍or奇数倍)
で考えることになります。
反射を含むときは位相の変化にも注意
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また、薄膜による光の干渉では、 反射による位相の変化 も考慮しなければなりません。
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薄膜の表面にあたる点Rでは、屈折率のより大きな媒質との境界面で反射しているので、位相が 反転 しますね。一方、薄膜の裏面にあたる点Qでは、屈折率のより小さな媒質との境界面で反射しているので、位相は そのまま ですね。
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したがって、 波源が逆位相の干渉条件 から、 光路差2dcosr が 半波長の偶数倍なら弱め合い、奇数倍なら強め合う ことになります。
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薄膜の干渉条件は、 ①距離の差を光学的距離で表す 、 ②反射を含むので位相が変化する 。この2つのポイントをしっかり掴んでおきましょう。
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光が屈折率nの媒質を通るときは、 距離をn倍 した 光学的距離 で考えます。 光学的距離 の考え方を活用できるのが、 薄膜によって生じる光の干渉 になります。