被子植物の精細胞の形成を見ていきましょう。

前回は、雄原細胞ができるまでの流れについて学習しましたね。
簡単にまとめると、次のようになります。
　花粉母細胞→（減数分裂）→花粉四分子→（体細胞分裂）→花粉

こうしてできた花粉は、花粉管細胞と雄原細胞からなっています。
注意が必要なのは、これらの細胞は配偶子ではないということでしたね。

続いて、配偶子ができるまでの流れを見ていきましょう。

これは、花粉がめしべの柱頭に付着した様子です。
このことを、受粉といいましたね。

受粉した花粉は、めしべの中に管を伸ばしていきます。
図では、花粉が柱頭に接した部分から下へ向かって管が伸びていますね。
このように、花粉の花粉管細胞から伸びる管を、花粉管といいます。

花粉管の先端に色の濃い丸い構造物が描かれているのが分かりますか？
これは花粉に含まれていた花粉管核です。
つまり、花粉管は花粉管核を先頭にして伸びていくというわけですね。

続いて、雄原細胞が花粉管の中を移動していきます。

雄原細胞は花粉管の中で体細胞分裂を行います。
雄原細胞が体細胞分裂をすると、2つの精細胞ができます。
これが、被子植物の配偶子なのです。
図では、花粉管核に続くようにして2つの精細胞が花粉管内に描かれていますね。

雄原細胞の核相はnでした。
精細胞は雄原細胞の体細胞分裂によって生じるので、2つの精細胞の核相もnです。
1つの花粉から2つの配偶子が生じるということですね。

動物の配偶子形成では、配偶子が形成される直前の分裂は減数分裂でした。
被子植物の配偶子形成では、減数分裂も行われますが、配偶子が形成される直前の分裂は体細胞分裂であることが特徴です。