高校生物

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5分でわかる!吸収スペクトルと作用スペクトル

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この動画の要点まとめ

ポイント

吸収スペクトルと作用スペクトル

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これでわかる!
ポイントの解説授業

光合成色素が光エネルギーを吸収

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植物の体内では、細胞小器官の一種である葉緑体が光合成を行っています。
光合成のためには、光エネルギーを吸収する必要がありました。
その役割を担っているのが、チラコイドに含まれる光合成色素でしたね。

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光合成色素には、いろいろな種類がありましたね。
それでは、どうしていろいろな種類の光合成色素が必要なのでしょうか?

吸収スペクトルは、光合成色素ごと

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次のグラフを見てください。

高校 生物 代謝2 ポイント3 上の図(下の図の横軸目盛りを追加
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グラフの縦軸は、吸光度を表しています。
つまり、上に盛り上がっているところほど、より多くの光を吸収できています。

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それに対して、グラフの横軸は、光の波長です。
少しイメージしづらいかもしれませんが、光には色の違いがあり、赤色光や青紫色光などと呼ばれます。
横軸は、このような色の違いを、光の波長として表しているイメージです。

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左から、紫色⇒緑色⇒赤色というような光の種類を表しているのです。

高校 生物 代謝2 ポイント3 上の図 空欄埋める
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グラフの中には、3つの折れ線がありますね。
これらは、3種類の光合成色素を表しています。

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クロロフィルaは、紫色光や赤色光をよく吸収します。
しかし、緑色光はあまり吸収しません。

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クロロフィルbは、紫色光よりもやや波長の長い光をよく吸収します。
波長が600nm程度の光も、少し吸収していますね。
しかし、クロロフィルaと同様に緑色光はあまり吸収しません。

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カロテンは、500nm程度の光をよく吸収します。
しかし、約500nmよりも長い波長の光は吸収しません。

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このように、色素ごとの各波長の光に対する吸光度のグラフを、吸収スペクトルといいます。

高校 生物 代謝2 ポイント3 上の図 空欄埋める
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吸収スペクトルを見ると、光合成色素によって、吸収できる波長に差があることがわかりますね。
植物が光合成のときに利用する光は、様々な波長の光を含んでいます。
植物は、色々な光合成色素を葉緑体の中にもつため、光が当たったときに、様々な波長の光を漏れなく吸収することができるのです。

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ところで、どの光合成色素も、緑色光をほとんど吸収しませんでしたね。
なぜでしょうか?

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実は、ほとんどの植物は緑色光を反射する性質をもっています。
そのため、光合成色素は緑色光を吸収する必要がないのです。
植物は緑色光を反射するからこそ、私たちの目には植物は緑色に見えるのですね。

作用スペクトルは、各波長の光に対する光合成効率

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次に、もうひとつのグラフを紹介します。

高校 生物 代謝2 ポイント3 下の図 空欄埋める
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このグラフは、各波長の光に対する、葉緑体全体での光合成の効率を表しています。
このようなグラフのことを、作用スペクトルといいます。

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グラフを見ると、光合成が効率良く行われる光は、青紫色光赤色光です。
波長で表すと、400~450nmと、650~700nmです。
一方、緑色光が葉緑体に当たっても、あまり光合成は行われません。
葉緑体は、どの波長の光でも同じ効率で光合成ができるわけではないことが分かりますね。

高校 生物 代謝2 ポイント3 図 空欄埋める

吸収スペクトルと作用スペクトルの形はほぼ一致

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吸収スペクトルにおける各光合成色素が吸収しやすい光の波長と、作用スペクトルにおける光合成効率の高い光の波長に注目してください。
2つのグラフに相関関係があることが分かりますか?

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2つのグラフの山はほぼ一致していますね。
これは何を表しているのでしょうか。

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光合成色素が吸収しやすい光の波長は、光合成が効率よく行われる光の波長でもあります。
一方、光合成色素がほとんど吸収しない光の波長では、光合成は効率よく行われません。
光合成色素に吸収されやすい光の波長ほど、効率よく光合成を行うことができるのですね。

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この授業の先生

星野 賢哉 先生

高校時代に生物が苦手だった経験をいかし、苦手な生徒も興味をもてるように、生命現象を一つ一つ丁寧に紐解きながら、奥深さと面白さを解説する。

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