今回は コンデンサーの電気容量C についての知識を深めていきましょう。

極板間の距離d[m]のコンデンサーに電気量+Q[C]を蓄えたとき、極板間の電場の大きさがE[V/m]、電位差がV[V]であったとします。

このとき、コンデンサーの電気量Q[C]を表す基本公式は Q=CV でしたね。では、 Q=CV の式における コンデンサーの電気容量C が何を表すものだったかは覚えていますか？

電場の大きさの2つの式
E=V/d　……①
E=4πkQ/S　……②
より、
V/d=4πkQ/S
⇔ Q=(S/4πkd)×V
としたときの S/4πkd をまとめて 電気容量C とおいたのでした。

電気容量 C=(1/4πk)×(S/d) のうち、円周率π、クーロンの比例定数kは定数です。つまり、面積S、極板間の距離dによって、電気容量Cが決まることがわかります。 1/4πk=ε₀ とおくと、
C=ε₀×(S/d)
ですね。つまり、コンデンサーは 極版の面積Sに比例し、極板間の距離dに反比例する のです。

ε₀=1/4πk は、 真空の誘電率 と言い、定数です。コンデンサーの2つの極板の間に何もはさまっていない、つまり、極板間が真空のとき、円周率π(=3.14……)、クーロンの比例定数k(=8.98……×10⁹)を代入して、
ε₀=8.9×10^-12 [F/m]
となります。 ε₀の具体的な数値はとても小さいですね。この値は問題で与えられるので、わざわざ覚える必要はありません。

コンデンサーの電気容量Cは通常、極板間が真空のときの数値です。もし、極板間を真空とは異なる物質で満たした場合、その物質の 誘電率ε がε₀の代わりに用いられます。