今回は、生得的行動のうち、ミツバチダンスについて見ていきましょう。

生得的行動とは、誰かに教わることなく生来備わっている行動でした。
ミツバチの生得的行動として代表的なものが、ミツバチダンスです。
ミツバチは、他の個体にエサ場の情報を伝えるためにいくつかのダンスをします。

次の写真を見てください。
これは、ミツバチが住む巣箱です。

巣箱の中には、何枚かの巣板が縦に並べられています。
ミツバチは、この垂直に立てられた巣板の上でダンスをするのです。

まずは円形ダンスを見てみましょう。
円形ダンスは、エサ場が近くにあることを知らせるダンスです。

エサ場が近くにあることを知っているミツバチは、図のように円形に移動します。
すると、そのダンスを認識した他の個体は近くにエサ場があると判断するのです。

円形ダンスでは、エサ場の方向や距離は示されないことが特徴です。
他の個体に、エサ場が近場にあることだけが伝達されるということですね。

次で、円形ダンス以外のミツバチダンスとそのメカニズムに注目します。