今回は、染色体について見ていきます。

皆さんは、染色体とは何なのか正確に答えることができますか？
まずはゲノムについて復習しながら、染色体について確認しましょう。

ゲノムとは、生物のすべての形質を決定する遺伝情報の1セットです。
例えばヒトは、ゲノムによって頭の先から足の先まですべての形や性質が決まっているのです。

ゲノムは、父親と母親から1セットずつ受け継がれます。
また、ゲノムにはDNAのもつ遺伝情報が含まれています。
生物は、父親と母親それぞれからDNAを受け継ぎ、その遺伝情報に基づいた形や性質をもっているのです。

生物が父親と母親から受け継いだDNAは、1本の鎖状になっているわけではありません。
次の図を見てください。

これは、ヒトのもつゲノムの模式図です。
図の一番左に描かれているのはDNAです。
親から受け継がれたゲノムに含まれるDNAは、切断されて断片になっているのです。

ヒトが父親と母親から受け継いだDNAは、それぞれ23本に分断されています。
つまり、ヒトは片方の親から23本の染色体を受け継ぎ、合計46本の染色体をもっているのです。
ヒトのゲノムは染色体23本で1セットです。

生物はそれぞれ2セットのゲノムをもっています。
しかし、染色体の数や種類は生物によって異なるのです。