練習①。書き下し文と訳を完成させましょう。

注目してほしいのが、最初の二文字「禽獣（きんじゅう）」の後の 送り仮名「スラ」 。また、文の後半では 「而ルヲ」 に 「況ンヤ」 、 「人ニ於イテヲ」 に 「乎（や）」 と、授業で解説した形が来ていますね。

この文章では「且（かツ）」または「尚・猶（なホ）」が省略されています。ですが、そのほかの要素から 抑揚の表現 だと判断できます。

書き下し文では、最後の一文字 「乎」をひらがなで書く ことに注意してくださいね。

訳すときは「Aすら」をそのまま「Aすら」とせず 「Aでさえ」 と書くことに注意してください。

抑揚の表現は 前半抑え目／後半強め でしたね。前半の「鳥やけものでさえ恩を知っている」は調子を抑えて、後半の「まして人ならなおさらだ」の部分は強まります。

続いて練習②。書き下し文と訳を完成させましょう。

最初の四文字を読むと「仁智ハ周公スラ」。送り仮名 「スラ」 があるので、抑揚の表現かな？と予想できます。

次の「未」は「いまダ～ず」と読む 再読文字 。「ず」は接続の関係で 「ざる」 と活用しています。書き下し文では「未だ之を尽くさざる」というように 二回目に読む再読文字はひらがなで書く ことに注意してください。また、断定の助詞「也（なり）」も ひらがなで書き下しましょう。

文の後半を見ると 「而ルヲ」 に 「況ンヤ」 、 「王ニ於イテヲ」 に 「乎（や）」 とあります。間違いなく 抑揚の表現 ですね。正解はこちら。

この授業で何回もお伝えしていますが、訳すときは「Aすら」を 「Aでさえ」 としてくださいね。また、後半は 「まして～なおさらだ」 と強めの調子で訳すのがポイントです。

ここまで、たくさんの句形を学んできました。振り返ってみましょう。

まずは「未」などの 再読文字 を学びました。他にも 使役 の「令」や 受身 の「見」、「不」や「非」の 否定 を学びました。否定には 単純否定・二重否定・部分否定・強勢否定 がありましたね。

そのあとは 疑問・反語・詠嘆 、「不如」などの 比較 、「莫如」などの 選択 、「如」を使った 仮定 、「願」を使った 願望 が登場しました。

最後に、９章では 限定・累加・抑揚 の３つの句形を学びました。忘れた句形があれば、復習しておいてくださいね。これであなたも句形マスターです！