練習①。問題文の書き下し文と訳を完成させましょう。

「不」のあとに副詞「復」がきていますね。ということは・・・？そう、 部分否定 ですね。

部分否定の場合、副詞に送り仮名「ハ」を送るのが原則ですが、ここでは注意すべきポイントがありました。 「復」はこの原則の例外となる副詞で、「タ」を送らねばならない のでしたね。

書き下しは 「孔子復た河を渡らず。」 となります。
訳は 「孔子は二度と河を渡らなかった。」 となります。

つづいて練習②。こちらも書き下し文と訳を完成させる問題です。

主語「我」の次に 再読文字「未」 がきています。これは「未だ～ず」と読むのでしたね。そのあとには「必」という副詞がきていますから、これは部分否定の文だとわかります。

１問目と同じく、部分否定だからといって「必ずは泣かず」と読んではダメですよ！「必」も「復」と同じ、部分否定の例外で 「シモ」 を送るのでしたね。よって、書き下しは 「我未だ必ずしも泣かず。」 となります。

訳は、「必ずしも～せず」という部分否定ですから 「私は必ず泣くというわけではない。」 となります。

今回は、部分否定の例外「必」「復」を学習しました。副詞に「ハ」を送らない２つの副詞の扱い方、マスターできたでしょうか？

ちなみに、「復」を使った文章には、部分否定と全部否定の両方があります。授業では部分否定としての「復」しか勉強していないので、全体否定で使われる場合はどうなるのか、少しだけお話をします。

「復」は、全体否定でも部分否定でも同じ読み方になります。ただし、意味の違いはあります。
全体否定の「復不買」という文と、部分否定の「不復買」という文を比べて説明します。

全体否定の「復不買」は 100パーセントの否定 ですから 「（今までも買ったことはないが）今度も買わない。」 という意味になります。
部分否定の「不復買」では 「復」という部分だけが否定される ため 「（前に一度買ったが）もう二度とは買わない。」 という意味になるのです。

以上、「復」が全体否定で使われた場合の、部分否定の「復」との違いを紹介しました。ただし、この授業でとにかく皆さんにおさえていただきたいのは 「復」「必」が部分否定で使われた場合 にどうなるか、です。余裕があれば、先ほどの「復」が全体否定で使われる場合の話も覚えておきましょう。