隋・唐の３回目。
今回は「唐の支配体制の動揺」について学習します。

ポイントの1つ目は「中国史上唯一の女帝」です。
長い中国の歴史の中で、唯一の 女性皇帝 として名を刻む人物。
その名も 則天武后 について勉強します。

則天武后はもともと、第3代皇帝 高宗 の奥さんでした。
高宗は晩年、病気にかかって政治ができなくなります。
そこで彼の子どもが皇帝に即位したのですが、
則天武后は 自らの子供を次々に皇帝の座から降ろします。
最終的には 彼女自身が皇帝に即位した のです。

中国では、漢の時代から 儒学 の考え方が影響力を持っていました。
儒学の特徴の一つとして、女性を見下す 男尊女卑 の考え方がありました。
この考え方にこだわる人は、 則天武后の登場が唐の混乱を招いた と捉えたのです。
中国の歴史書はしばしば、則天武后が即位したことで唐は混乱した、と記述していることがあります。

この記述は正確なのか、則天武后の行動から考えてみましょう。
まず、彼女は国の名前を、唐から 周 （ 武周 ）に変更しました。
則天武后の時代は、国名が周となっているので注意しましょう。
また、則天武后は 科挙官僚を積極的に登用しました。
新たに能力のあるメンバーを集めることで、 従来の貴族勢力を抑圧したのです。

以上が則天武后の事績となります。
中国の歴史書は則天武后を悪い皇帝として描いていますが、果たしてどうでしょうか？

則天武后の時代は、それほど大きな混乱はありませんでした。
国を混乱させた女帝と評されることも多いですが、実際はそうではなかったのです。

則天武后が国名を周に変更したこと、そして科挙官僚を積極的に採用したことを覚えておきましょう。