高校物理

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5分でわかる!光電効果のエネルギー収支

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この動画の要点まとめ

ポイント

光電効果のエネルギー収支

高校物理 原子2 ポイント1 全部 空欄埋める

これでわかる!
ポイントの解説授業
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光電効果 によって得られる実験結果には、以下の3つがありました。

高校物理 原子1 ポイント1 図の下側の実験結果全て

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これらは、光を波だと考えると説明することができません。そこで、アインシュタインは、光は波であるだけでなく、 粒の流れである と考え、光の粒1つ、つまり光子1個のエネルギーを次のように定義しました。

高校物理 原子1 ポイント2 クマさんのまとめ 空欄埋める

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今回はこの光子のエネルギーを用いて、光電効果の実験結果がどのように説明できるのかを解説しましょう。

仕事関数W=金属内の電子を飛び出させる仕事の最小値

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まずは、 金属板から光電子を飛び出させるときのエネルギー を見ていきます。光子1個のエネルギーEは、 E=hν[J] でしたね。この光子が金属板にあたることで、金属板の電子が光電子となって金属板の外に飛び出るケースを考えます。

高校物理 原子2 ポイント1 図 仕事関数Wとその矢印をカット

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図では、金属の表面と外部の差を崖で表しました。金属内の電子が外部に飛び出るには、エネルギーが必要です。金属内の電子を外部に飛び出させるために必要な仕事量の最小値を 仕事関数W[J] といい、この崖で表現しています。

高校物理 原子2 ポイント1 図

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なぜ 最小値 になるのかと言うと、金属の内側にある電子などと比べて、金属の表面の電子が一番外部に運びやすいからですね。また、仕事関数Wは、 金属の種類によって決まる値 です。

光子の持つエネルギーは2種類の用途で使われる

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E=hν[J] のエネルギーをもつ光電子が金属板に当たったとき、このエネルギーがどう使われたかを解説していきます。

高校物理 原子2 ポイント1 図

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光子のエネルギーEが、金属の表面にある1個の電子にすべてに与えられたとしましょう。すると光子はエネルギーが0となって消滅し、金属表面の電子はエネルギーEを受け取って、外部に飛び出ようとします。受け取ったエネルギーが十分に大きければ、仕事関数W[J]の崖を登り切ったことになり、外部に飛び出します。

高校物理 原子2 ポイント1 図

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これがまさに 光電効果 の起きる流れです。これをエネルギー収支として式に表してみましょう。光子が最初に持っていたエネルギーhνは2つのことに使われていますね。 電子が金属の外部に飛び出るための仕事W と、さらに 飛び出すときの運動エネルギーKmax です。これを式で表すと下のようになります。

高校物理 原子2 ポイント1 クマさんのまとめ1−2行目

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運動エネルギーが最大値を表すのは、金属の表面ではなく内部にある電子を運ぶ場合もあるからです。金属内部にある電子を運ぶとき、その電子を外部に飛び出させる仕事は仕事関数Wよりも大きい値となり、運動エネルギーが減ってしまうからです。

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さらに、 hν=Kmax+W を式変形すると、 Kmax=hν−W 。電子の運動エネルギーの最大値Kmaxはhνと仕事関数の差であることがわかります。 飛び出す電子の運動エネルギーの最大値Kmaxが振動数のみで決まる ことが説明できましたね。

限界振動数ν0とは?

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Kmax=hν−W より、電子が飛び出すためには運動エネルギーが0より大きくないといけません。電子が外に出るための振動数νの条件式は、
Kmax=hν−W>0
ν>W/h
となり、w/hを 限界振動数ν0 と言います。

高校物理 原子2 ポイント1 クマさんのまとめ3行目 空欄埋める

光電効果の実験結果が説明できる

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Kmax=hν−W のシンプルな式から、光電効果の3つの実験結果について説明ができます。

高校物理 原子1 ポイント1 図の下側の実験結果全て

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実験結果1は、Kmax=hν−Wの式から振動数νを増加させると運動エネルギーKmaxも増加することが確認できますね。実験結果2についても、同様にνが一定なら運動エネルギーが変化することはありません。光の強さと光電子の数との関係については、次の授業で確認しましょう。最後に実験結果3については、振動数が限界振動数ν0より大きい場合でないと電子は外に飛び出ませんね。

この授業の先生

鈴木 誠治 先生

知識ゼロからでもわかるようにと、イラストや図をふんだんに使い、難解な物理を徹底的にわかりやすく解きほぐして伝える。

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