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5分でわかる!動植物の水の受動輸送

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この動画の要点まとめ

ポイント

動植物の水の受動輸送

高校 生物 細胞14 ポイント3 全部 空欄埋める

これでわかる!
ポイントの解説授業
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みなさんは、細胞膜における受動輸送について学習してきました。
水分子の場合、アクアポリンという膜タンパクを介して、細胞膜の内外を移動しているのでしたね。

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水分子の移動について詳しく確認するため、次のような実験を考えてみましょう。

溶媒は濃度が高い方から低い方へ移動する

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溶液には、濃度の異なる溶液を混ぜ合わせると、均一の濃度になろうとする性質があります。
高濃度の溶液と低濃度の溶液を混ぜる場合を想像してみてください。
溶液に溶けている溶質は、高濃度の方から低濃度の方へ移動していきます。
一方、溶媒は低濃度の方から高濃度の方へ移動していきます。
異なる濃度の溶液が混ざり合うときは、溶質だけが移動するわけではありません。
溶質を溶かしている溶媒も同時に移動していることを、覚えておきましょう。

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濃度が低いことを低張、濃度が高いことを高張といいます。
つまり、溶媒は低張から高張へ移動する、と言い換えることができるのです。
生物の場合は、生体のほとんどが水で構成されているので、生体の溶媒は水であるといえます。
生体内の水も、低張から高張へと移動しています。
異なる濃度の溶液が混ざり合うときは、溶質だけが移動するわけではありません。
溶質を溶かしている溶媒も同時に移動していることを、覚えておきましょう。

細胞の中身と濃度が等しい溶液⇒等張液

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下の図に描かれているのは、上が動物の赤血球で、下が植物の植物細胞です。
どちらも、細胞膜をもった構造をしています。

高校 生物 細胞14 ポイント3 図 中央の等張液の図2つのみ
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図には、等張液とかかれていますね。
等張液とは、赤血球や植物細胞のような細胞の中身の濃度と同じ濃度の溶液をいいます。
つまり、図において、細胞の内側と外側の濃度は同じになっているのです。

高校 生物 細胞14 ポイント3 図 中央の等張液の図2つのみ 書き込みあり
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このとき、細胞外から細胞内に入る水分子と、細胞から外へ出ていく水分子の量は、つり合った状態で保たれています。
また等張液に入れられた植物細胞は、細胞膜と細胞壁の隙間がぴったりとくっついています。
このように、植物細胞が細胞壁の空間にぴったり収まっている状態を、限界原形質分離といいます。

高張液に細胞を入れるとしぼんでいく

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次に、赤血球と植物細胞を、濃度の高い高張液に入れたらどうなるでしょうか?
細胞膜にあるアクアポリンは、水分子の輸送を行い、細胞の内側と外側が同じ濃度になるように働きます。
すると、濃度の低い細胞内から、濃度の高い細胞外への水の輸送が起こります。

高校 生物 細胞14 ポイント3 図 低張液の図2つカット
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まず赤血球は、細胞膜のみで覆われています。
細胞内から水が出ていくと、赤血球は体積が減少し、収縮してしまいます。

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一方、植物細胞は赤血球と異なり、細胞膜だけでなく頑丈な細胞壁で覆われています。
よって、細胞壁は形を変えることなく、その内側にある細胞膜に覆われた部分だけ、体積が減少していくのです。

高校 生物 細胞14 ポイント3 図 低張液の図2つカット
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植物細胞の細胞壁の空間に、ぴったり細胞が収まっている状態を、限界原形質分離といいましたね。
しかし、植物細胞が高張液に入れられ、細胞内から水分が出ていくと、細胞膜に覆われた部分だけが収縮していきます。
すると、細胞壁と細胞膜が離れるという現象が起こります。
これを、原形質分離といいます。

低張液に細胞を入れると膨らんでいく

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続いて、赤血球と植物細胞を、濃度の低い低張液に入れたらどうなるでしょうか?
高張液の場合と同じように、細胞膜にあるアクアポリンを介して、水分子の輸送が起こります。
今度は、濃度の低い細胞外から、濃度の高い細胞内への輸送です。

高校 生物 細胞14 ポイント3 図 高張液の図2つカット
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高張液の場合と同じように、細胞膜にあるアクアポリンを介して、水分子の輸送が起こります。
今度は、濃度の低い細胞外から、濃度の高い細胞内への輸送です。

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赤血球は、細胞膜のみで覆われていましたね。
細胞内に水が入っていくと、圧力に耐えきれず、やがて赤血球は破裂してしまいます。
この現象を溶血といいます。

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一方、植物細胞はどうなるのでしょうか?
植物細胞は赤血球と異なり、細胞膜だけでなく頑丈な細胞壁で覆われていましたね。
細胞内に水が入っていくと、細胞は膨らんでいきますが、細胞壁のおかげで破裂することはありません。
細胞が膨らむと、細胞膜が膨らむと同時に細胞壁を外側に押す圧力がかかります。
この力を、膨圧といいます。

高校 生物 細胞14 ポイント3 全部 空欄埋める

この授業の先生

星野 賢哉 先生

高校時代に生物が苦手だった経験をいかし、苦手な生徒も興味をもてるように、生命現象を一つ一つ丁寧に紐解きながら、奥深さと面白さを解説する。

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