高校漢文

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5分でわかる!これだけは押さえよう!

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この動画の要点まとめ

ポイント

これだけはおさえよう!

高校漢文 1章3 キャプチャ123201参照

これでわかる!
ポイントの解説授業
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「これだけはおさえよう!」のコーナーです。返り点の発展法則について 2つのポイント をお伝えします。

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前回の授業では「レ点」「一二点」「上下点」の3つの基本法則を学びました。それ以外の、発展法則にはどんなものがあるのでしょうか?

一点とレ点の組み合わせ、上点とレ点の組み合わせが可能!

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1つ目のポイントは 一点とレ点の組み合わせ、上点とレ点の組み合わせが可能! です。「温故知新」の文にも、一点とレ点を組み合わせたものが出てきましたね。それでは下の例文を見てください。

知此為誰(返り点・読む順番含む)

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読んでみましょう。何も返り点がついていない「此」から読みます。次に読むのは、何もついていない「誰」。その上にはレ点があるので、上に1字返ります。

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ここで「為」という字の左下をよく見てください。 一点とレ点がセット になっています。これが「組み合わせ可能」ということなんです。

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重要なのは、組み合わせたときの 読む順番 です。一点とレ点では レ点を優先して 読みます。この例文では「誰」を先に読みましょう。そして一点のついた「為」を読み、二点の「知」に返りましょう。正しく読むと「此れ誰たるかを知る。」となります。

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「一レ点」という組み合わせができること、そして、組み合わせた時はレ点を優先すること。この2つをおさえてくださいね。

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続いて、別の例文を見てみましょう。

勿以悪小為之(返り点・読む順序含む)

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五文字目「為」の左下を見てください。 上点とレ点がくっついていますね。 上点とレ点も組み合わせ可能なんです。読んでいきましょう。

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まずは何も返り点がついていない「悪」。下の「小」には一点がついているので、読んでから二点の「以」に返ります。そして下に向かっていきますが、ここで「為」を見てください。上点とレ点が両方ついています。こんなときはどうすればいいのでしょう?

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先ほどの「一点+レ点」のときと同じように、まずは レ点を優先 して、下の字から上の字に返りましょう。「之→為」の順番です。そして、今度は上点から下点に返ります。「為」から二点のついた「勿」に返りましょう。正しく読むと「悪の小なるを以て之を為す勿れ。」となります。

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このように「上点+レ点」という組み合わせも可能です。「一点+レ点」のときと同じく レ点を優先 して読んでから、下点に返りましょう。

熟語に返るときは2字の間に返り点をつける!

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返り点の発展法則、2つ目のポイントは 熟語に返るときは2字の間に返り点をつける! です。例文を見てみましょう。

「欲学習漢文」(返り点・読む順序含む)

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熟語とは ハイフン(-)でつながった語 の事です。例文では 「学-習」 とありますね。「学習」という熟語です。熟語であるということをわかってもらうため、ハイフンがついているんです。

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それでは、文章をよく見ながら読んでいきましょう。まずは返り点が何もついていない「漢」から読んでいきます。下っていくと、次は「文」ですね。一点がついているので、二点の字に返ります。

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ここでポイントを思い出しましょう。「熟語に返るときは2字の間に返り点をつける!」でしたね。 「2字の間」 というのがポイントです。熟語の「学習」はワンセットなので「返り点は左下だ!」と思って 「習」の左下につけるのは間違い。 「習」という字までしか返れなくなってしまうからです。返り点は「2字の間」、ここでは「学」と「習」の間につけてあげましょう。

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続けて読んでいきましょう。「文」の一点から二点の熟語に返ります。上から「学→習」と読みます。この後も間違えやすいポイントです。最後に一番上の「欲」に返るのですが 三点 が使われていますね。このときに「上に1字返ればいいだけだ!」と思って レ点 をつけてしまう人がいます。そうではありません!

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熟語は1字ではなく2字なので 「習」から「欲」までは2字ある のです。レ点だと「学」からしか返ることができなくなってしまいます。2字以上返るので、ここは必ず三点をつけてあげましょう。正しく読むと「漢文を学習せんと欲す。」となります。

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以上、「一レ点」「上レ点」という組み合わせや「熟語」という厄介な法則を学びました。少し複雑ですが、2つのポイントをきちんと理解すれば、どんな漢文にも対応できるようになりますよ!

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それでは、実際に返り点をつける練習をしてみましょう。

返り点のつけ方をマスターしよう!

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例文を読む前に、もう一度法則をおさらいしましょう。まずは3つの基本原則から。
①1字返るときはレ点
②それ以上返るときは一二点
③一二点を挟んで返るときは上下点

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加えて今日、2つの発展法則を学びました。
①「一レ点」「上レ点」という組み合わせができること
②熟語は間に返り点をつけること
でしたね。それでは例文を見てみましょう。

キャプチャ123202参照(カッコは消してください)

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すでに読む順序はついているので、この通りに読めるように返り点をつけていきましょう。

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まずは順序1の「天」から読んでいきます。順序2の「下」から、順序3の「治」に返っていますね。2文字返っているので、ここは一二点を使っています。「下」の左下に一点、「治」の左下に二点がありますね。

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続いて、順序4は「之」ですね。下に向かって順序5が「掌」、順序6が「上」です。その次は「上」から順序7の「運」に返っていますね。1字返るならレ点、それ以上返るなら一二点を使います。ここでは「上」から「運」まで3字あるので一二点ですね。

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そして「運」から順序8の「可」までは1字返るだけ。ここはレ点ですね。答えはこのようになります。

キャプチャ123202に正しく返り点を入れたもの

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正しく読むと、「天下を治むること、之を掌上に運らすべし。」となります。基本法則にしたがって、正しく返り点をつけられましたか?それではもう1題解いてみましょう。

キャプチャ123203参照(カッコは消してください)

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最初に読む字は順序1の「更」ですね。続いて順序2の「之」、順序3の「与」です。「之」から「与」には1字返っていますね。ここはレ点を「与」の左下につけましょう。

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その次はどうでしょうか。今度は「与」から、順序4の「可」に返ります。ここで、「与之」から「可」に返ればよいんだ!と思って、次のように返り点をつけてしまう人がいます。

キャプチャ123203-1参照

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よく見てください。これでは、「之」を読んだ後に困ってしまいます。上にレ点があるので、必ず上に1字返って「与」を読まなければいけない。しかし左下には一点があるので、必ず二点の「可」に返らなければなりません。「与」と「可」を同時に読むのは不可能ですね。このような返り点をつけてはいけません。

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そこで発展法則 「一点とレ点は組み合わせられる」 を利用しましょう。まずは「之」から「与」に1字返るので、「与」の左下にレ点をつけましょう。そして、次は「与」から「可」に返ります。「与」から「可」までは2字ありますので一二点を使います。正解は下のようになります。

キャプチャ123203(正しい返り点をつける)

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「与」には一点とレ点が両方つくことになるので、ここで「一レ点」を使いましょう。正しく読むと、「更に之を与ふべし。」となります。今回は、この「一レ点」をしっかり身に付けてくださいね。

この授業の先生

打越 竜也 先生

「楽しく、わかりやすく」をモットーに伝授する、漢文の達人。人を惹きつける語り口とコミカルな動作から紡がれる、丁寧で完成された解説は、ファンになる生徒が後を絶たない。

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