高校世界史B
5分でわかる!民衆を徹底して管理するシステム
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この動画の要点まとめ
ポイント
民衆を徹底して管理するシステム
これでわかる!
ポイントの解説授業
「魚鱗図冊」と「賦役黄冊」
まず、明の政府は 魚鱗図冊 (ぎょりんずさつ)という土地台帳を作成し、「 誰がどの土地を所有しているか 」を明らかにしました。また、 賦役黄冊 (ふえきこうさつ)という 戸籍台帳 兼 租税台帳 を作り、「 誰がどこに住んでいて、どれだけ税金を納める必要があるのか 」を整理したのです。
村落行政制度である「里甲制」
さらに洪武帝は農村を整備しようと考え、村落行政制度である 里甲制 を採用しました。これは、 農家110戸で1里 を構成する制度です。110の農家で1つのチームを作らせて、 租税徴収 や 治安維持 に役立てたのです。
軍事力確保を目的とした「衛所制」
洪武帝の時代には 衛所制 (えいしょせい)という軍事制度も始まりました。農家を「軍戸」に指定し、軍事訓練を行わせることで、国防を強化しようというねらいがありました。
民衆教化のために「六諭」を発布
1397年、洪武帝は 六諭 (りくゆ)を発布し、農民たちに儒教の教えを守らせようとしました。六諭とは「父母に孝順であれ」といった 朱子学の教え をまとめた、六つの項目からなる 教訓 のことです。
洪武帝は、六諭を民衆に浸透させるために 里老人 という役職を設けました。六諭の教えを広めることで 皇帝に従順な国民を育てようとしたのです。
以上、明の時代の 民衆管理の工夫 を紹介しました。重要語句がたくさん出てきましたね。しっかり覚えておきましょう。
ポイントの2つ目は「明の民衆支配」です。
ポイント1でお話したように、洪武帝は 中央集権化 政策を進めました。皇帝に権力を集めるためには、政治を行う機関を整備するのはもちろん 民衆を統治する工夫 が必要になります。今回は、明がどのように民衆を管理したのかに注目しましょう。